中津市にある黒田官兵衛が築城したという「中津城」を訪ねてきた。
中津へ出向いたのは、午前中に「日本語ボランティア研修講座」があったからで、せっかくここまで来たのだからすぐ近くの中津城まで足を延ばしたという訳だ。
訪れた中津城は、そのモノトーンのフォルムが、秋の青空にくっきりと映えてとても美しかった。
400円払って中に入ってみると、黒田官兵衛の後の後の後のお殿様であった奥平家のお宝や由縁のものが数多く展示されていた。
自分は奥平家を知らなかったが、有名な「長篠の合戦」でも手柄をたて、徳川家とも縁のある由緒ある家系らしい。
江戸時代に果たしたその功績も大きく、有名な『解体新書』翻訳の中心となった中津藩の医者・前野良沢を庇護したりもしていたらしい。
それらの資料も、けっこう大きなスペースを使って展示してあった。
最上階の天守に上がって、外の展望回廊をぐるっと巡ってみた。
海からの風はやや冷たかったが、とても眺めがよくて最高に気持ち良かった。
天守の影が落ちたすぐ横には、城の外堀役の中津川がゆったりと流れている。
そして、その中津川がそそぐ豊前海は、キラキラと秋の陽光を受けて光っていた。
城の周りでは、少し色づき始めた木々が、白黒の城を際立たせていた。
城の脇には、きっとNHKの大河ドラマに因んで作られたのだろう。
「黒田官兵衛資料館」があった。
そこには、官兵衛の足跡を伝える資料がパネル等で分かりやすく解説されていた(入場無料)。
「密」というほどではないが、行楽シーズンということで、駐車場にはけっこうな車が停まっていた。
城の中では、物知りのスタッフさんがいろいろと懇切丁寧な説明をして下さり、とても勉強になった城訪問だった。