2020年12月30日

石橋巡り第10弾~院内町の二つのアーチ橋へ

 今年の仕事も無事納めたので、昨日はまたまた宇佐市院内町へ、マイブームの「石橋巡り」へと繰り出した。


 今回は、宇佐から玖珠へぬける国道387号線から少し谷側へ降りた所の野地と温見にある「単眼アーチ橋」を訪問。
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 まず、「野地橋」は国道387号線から左斜めに降りた温見川に架かっていた。
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 それほど大きくはない川に、きれいなアーチを描いた橋が100有余年の年を経て、今なお現役でしっかりとその役目を果たしている。
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 アーチ部分以外は、自然な石の形を大小組み合わせながら組まれたスマートな橋だ。
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 それでいて、やはり土台はしっかりと固めてあり、岸辺の川底まで礎石は伸びていた。
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 アーチの輪石部分に少しのがたつきが見られるものの、きれいなアーチは健在。
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 ただ、アーチで最も重要な「要石」がはっきりとは分からなかった。



 現役の橋らしく上面にはコンクリートが打ってあり、手摺として鉄柱も建ててあるが、欄干の親柱は古のいい味を湛えたままだ。
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 100年以上の時を経て、今もなお地域になくてはならない橋として活躍しているのは、何ともすばらしい。






 次に向かったのは、「野地橋」から西にある集落へ向かう途中の温見川にかかる「中鍋橋」
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 先の「野地橋」よりもさらに細い生活道路に自然な形で架かっている。
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 しかし、その様子を詳しく見るために、橋の袂に近づいて驚いた。

 アーチを構成する「輪石」の側面が、まるでコンクリートブロックが並べられたかのように、綺麗で平らにそろっている。
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 ほとんど自然石を人が人力で加工したとは思えないほどの出来栄えだ。

 今まで見て来た石橋で、こんな精密な加工を施したものは見たことがない。


 説明板の解説によると、どうやら御影石などの表面を平らに仕上げる「びしゃん仕上げ」という加工法が用いられているようだ。




 また、石橋の強度を上げるために、側壁を守る袖の石をより厚く頑丈に組んだり、欄干の下の部分に丁寧に曲面の設けられた水捌けを取り付けたりしてある。
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 石の欄干の造りも実に見事だ。


 アーチの「要石」も、こちらは大きな石ががっちりと咬ませてある。
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 さらには、「輪石」も「壁石」も端を真っ直ぐに加工され、大きさもそろった石が、全く隙間なく組み合わされている。


 
 職人さんたちの高度な技術が、実にあちらこちらに多用してあり、完成度も高い。

 小さいアーチ橋ながら、とても見応えのあるすばらしい石橋だ。
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 先人の苦心の作が、今なお人々の役に立ち続けているなんてすばらしい!




 
 「道の駅 いんない」の店のおじさんが教えてくれたのだが、今年に入って埋もれていた石橋が五基も見つかったらしい。

 いずれその新発見の石橋を訪ねるのも、楽しみだ。



 
ラベル:石橋
posted by よっちゃん at 17:28| Comment(0) | 伝統文化 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年11月18日

「究極のアーチ石橋」と「なんちゃって石橋」に遭遇

  秋もどんどん深まってきて、あちらこちらで紅葉狩りもたけなわ。

 出かけたついでに、「究極のアーチ石橋」と「なんちゃってアーチ石橋」を見て来た。





 「究極のアーチ橋」は、豊後高田市の上真玉にある「身灌神社」内のもの。
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 非常に小さく、自分がこれまで見たアーチ橋の中では最小だ。
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 しかも、ホントは一枚の岩を渡しても渡れるくらいの所に、わざわざアーチ型の石橋。

 2つの石を互いにもたれかけさせる形でアーチを組んだだけという、こちらも初めてお目にかかる構造だ。
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 この石橋は、もともとここにあったのかどうか非常に怪しいが、一応水を流す水路の上に架けられてはいる。


 しかし、だれにとっても、これを渡る必要性が感じられない。

 渡って行った先には、何もないのだ。





 ここからは想像だが、きっとこの神社はずっと以前、大水で荒れてしまったのだろう。

 前の境内はちゃんと庭づくりがしてあり、その庭園の散策道の途中にかけてあったものではないだろうか?

 それが、その後荒れた後の神社の片隅に、再び組み直されて置かれた。

 それで、こんな変な場所に変な形で存在する理由ではないか?




 真偽の程は分からないが、小ささと言い、造りと言い、その簡便さにおいて「究極のアーチ橋」だ。
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 この橋の見物に先立って、夷谷にある豊後高田の六郷温泉の一つ「夷谷温泉」の脇で見つけたアーチ橋。
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 以前来た時には気づかなかったが、温泉のすぐ横の水車小屋に向かう小道にかけられている。
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 現在「アーチ橋」探しがマイ・ブームの自分としては「やった~!」だ。



 そのアーチ橋を見た瞬間から、小ぶりながらも美しいフォルムで、水車小屋との組み合わせも実にいい雰囲気。
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 しかし、何となく違和感がある。



 先の橋同様、架けられている場所もさることながら、アーチ橋にとって極めて重要な橋の中央の「要石」がない。
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 また、橋の付け根の土台はしっかりと組まれているようだが、橋を渡ってみると、橋げたの石が透いていて下が見える。
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 変だなと思ったので、温泉の方を見つけ、話を聞いてみた。

 すると、この石橋は、少し前にこの温泉が整備された折、付属の公園として作られたものとのこと。

 
 つまり、古くから人々が生活に使ってきたものでもなければ、重機もない時代に苦労して架けられたものでもない。

 主に観光や保養が目的で来る人たちのために作られた公園の感じをよくするためのおまけの「なんちゃってアーチ橋」だった。

 ※その後、この橋を紹介している本(『二豊路の磨崖佛と石橋』)やネットの情報(takashi-cafe2021)により、この橋は明治期に別の場所に架けられていた「貴船橋」が1999年にこの場所に移設されたものと判明。もとの橋は、昔の人が生活のために架けた手作りの橋であった。



 
 一日のうちで、ちょっと変わったアーチ橋を二つ見たが、あれもこれも含めて、国東半島はやはり奥が深い。

 まだまだこの先、面白いものに出会えそうな予感がするぞ。


ラベル:石橋
posted by よっちゃん at 20:12| Comment(0) | 伝統文化 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年10月15日

豊後高田で大分県立美術館の作品鑑賞

 芸術の秋第3弾。

 今日は、大分県立美術館のコレクションの一部を出張展示している催しに行って来た。
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 場所は、豊後高田市の昭和の町に近い「教育会館」だ。


 会場の壁いっぱいに掲げられた作品たちは、パンフレットで見ていた印象とは全然違っていた。


 
 違いの要因は、何よりその大きさだ。

 ほとんどの作品が壁全体をうめるくらいの大きさで、間近で見るととても迫力がある。
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 それが、本家の美術館で見るよりもさらに近い30cmくらいのところで見られるのは、何とも贅沢だ。



 作品も油彩や版画に、布製のものまであったりして、凸凹や貼り付けてあるものの質感は、やはり間近でないととらえられない。
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 また、会場中央に置いてある2点の壺も、独自の存在感を放っていた。
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 県内出身の作家さんの作品も多いし、六郷満山文化ならではの仏像等の迫力も目を引いた。




 この事業では、市内の小中学生を順番に招待する取り組みも行われており、天気の良さもあって、会場内は密にならない程度のまずまずの人出であった。
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 この展示会は、10月21日(水)まで続くそう。

 無料だし、手軽な芸術鑑賞としてお勧めだ。

 
posted by よっちゃん at 21:38| Comment(0) | 伝統文化 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする